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【第1回 ファーウェイ 強さの秘密】[書評イントロ]ファーウェイの強さの真髄とは

ファーウェイ 強さの秘密 任正非の経営哲学36の言葉

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今回から第5回にわたって

ファーウェイの強さ

が具体的にわかる

ファーウェイ 強さの秘密 任正非の経営哲学36の言葉(Deng Bin著 日本実業出版社)」

を紹介していく。

*著者では Deng Bin

筆者では このブログの書き手を指す

中国の成長経済と情報通信技術の急速な進展の追い風を受けてのし上がった会社のように誤解されがちだが、ファーウェイはそうした

「ポッと出のラッキーなベンチャー企業」

ではない。

30年以上の時間をかけて、じっくり競争力に磨きをかけてきた。

その過程ではさまざまな困難や障壁があったが、それでマネジメントの力でひとつひとつ克服している。

 

この本が中国で発売されたちょうどそのころ(2019年)からファーウェイには強い逆風が吹き始めた。アメリカ政府はファーウェイをブラックリストに入れ、半導体の供給規制など制裁を強めている。

超大国でありながら共産党独裁体制という特殊な性格を持つ中国の、しかも情報通信を本業とするファーウェイは国際政治の力学の中で、創業以来の最大の企業の危機にある。

 

アメリカのファーウェイに対する禁止措置は、日本企業にも1兆円以上にのぼる損失をもたらした。米半導体工業会(SIA)や国際半導体製造装置材料協会(SEMI)も、アメリカ政府による禁止措置というやり方に憂慮している。

この措置は、アメリカ以外の半導体メーカーを制限するだけでない。アメリカ企業による半導体販売に対しても極めて大きな制限をもたらしているからだ。

ともあれ、ファーウェイは「グローバル化」と「多角化」という戦略を維持していくことだろう。ICT産業における相互信頼・相互利益、分業・協業は世界中の産業の発展に最も有利なのだから。

 

各種メディアに流れる情報のうわべだけを見て、ファーウェイに対する認識を狭めてはならない。そこから抜け出して、ファーウェイのマネジメントの道を探り、本質に切り込むべきである。

つまり

「ファーウェイはいかにして、

アメリカが国際緊急経済権限法を発動してまで制裁を科すほどの一大グローバル企業へと発展したのか」

ということだ。

ファーウェイの世界ランキング

1998年のIBMの年間売上高は米ドルで900億ドル(約12兆円)

ファーウェイの年間売上高は90億元(1.4兆円)にも満たなかった。

そこでファーウェイ創業者の任正非は、IBMにマネジメントの信念を学ぶことにした。

当時のファーウェイ内部からはさまざまな反対の声があがった。

IBMは大きすぎる、ファーウェイが学べるわけがないと考えていたからだ。

任正非は厳しい口調でこういった

 

任正非
今、IBMを超えられる新しい発想がある人は手を挙げて。恐れることはない。君が約12兆円の生産額を生み出せるのなら、我々は君から学ぶべきで、IBMから学ぶ必要なんかない。                      今、現在その能力がなく、真面目に学ぼうともせず、十分に理解もできていないときに何かを発信するのは、出しゃばりってもんだ

2018年10月4日には、

世界最大のブランディングファームであるインターブランド社が

「ベストグローバルブランド2018」を発表したが、

ファーウェイは中国企業で唯一ランクインし、

68位

 ランドローバーLand Rover Badge.jpg 78位
 フェラーリ Ferrari wordmark.png 80位
 ティファニーTiffany & Co. wordmark 2003.svg 83位
 プラダ   Prada-Logo.svg 95位
  ファーウェイ 68位

だった。(他の名立たるグローバル企業は上の表を参考)

ブランドの価値は76億ドル(約8660億円)に達していた。

 

2019年7月22日【フォーチュン】誌の

「グローバル500」ランキング

が発表されたが、

ファーウェイは

61位

にランクインし、IBMは114位だった。

ファーウェイは師と仰ぐIBMを超えた。

「青は藍より出でて藍より青し」を体現している。

「グローバル500」の主な評価指標は年間の総収益で、つまりは

「世界の大企業ベスト500」のランキングである。

すなわち

2019年においてのファーウェイは世界レベルの大企業といっても過言ではない。

 

だが、著者が言いたいのはファーウェイの「強気」「大きさ」「強さ」にあるのではないということだ。

ファーウェイは世界で唯一

  • B to B(大企業)
  • B to B(中小企業)
  • B to C(一般消費者)

という3種類のビジネスモデルを同一のブランドでやり通している企業だ。

ファーウェイの競争相手の

エリクソン       Ericsson (2018).svg

ノキア         Nokia wordmark.svg

シスコシステムズ    Cisco Systems Logo

など

このように発展しようとしなかった。

だがファーウェイは三種類ともやり通し、しかもすべてにおいて大成功を収めた。

最も驚くべきことはファーウェイがこの三種類のビジネスモデルを展開するのに用いたのが、同じヒューマンリソースマネジメントのモデルだったことだ。
これは世界中で唯一無二の例だろう。

この本の著者はファーウェイのマネジメントモデルを15年(うちファーウェイには11年在籍)にわたって研究しているが、業界の多くの企業がファーウェイのマネジメントモデルに注目し恩恵を受けている。

この著者らの講師陣はしばしば企業や有名大学のマネジメント口座に招かれ、「ファーウェイマネジメントの道」を行っている。2019年6月までにこの講義を300回以上行った。

「ファーウェイマネジメントの道」を一言で表すと

顧客第一主義、奮闘者が基礎

(以客戸為中心、以奮闘者為本[原文])」

 

まさにこの12文字(原文)に尽きる

 

この本の中には、任正非のファーウェイ創業以来30年間の社内外でのスピーチと、合計1000万文字あまりの任正非名義のメールの内容から、最も代表的で頻出する36の言葉をピックアップして主な構成としている。これら36の言葉が発せられた背景と使用場面を解析し、多数の実例を加えてまとめてある。

筆者はこの36の言葉から

さらに日本になじみやすく、わかりやすい事例を

筆者の意見・感想とともに紹介していく。

 

ただし、注意しておきたいのはファーウェイのマネジメントの法則を理解するにはその「道」を重点的に学び、当時の状況を理解する必要があるという点だ。

というのも企業ごとに置かれている業界の

  • レースコース
  • 規模
  • 段階
  • ビジネスモデル
  • 内部体制

はすべて異なるし、

  • 抱えているチーム
  • 資金力
  • リーダーの風格

にも大きな差があるからだ。

また、筆者が紹介するのは

ファーウェイの強さの一部のそのまた一部なので、それでわかった気になってはならない。

 

ファーウェイはチームの学習能力において最強の企業だ。業界では毎年目を見張る結果があちこちで飛び交っている。ファーウェイはほかの業界の優秀な実務経験を取り込み、自身の経営マネジメントを改良し続けている。

これはファーウェイが7000億元(約14兆円)あまりの年間売上高を実現した際に、

年平均成長率をなお20%程度キープできる理由だ。

リードする企業にはリードする道が必ずある。

我々は時代をリードするものに学ぶのだ。すなわちファーウェイに。

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